【金 賞】・・・・・ 「四日間の自転車旅行」 安 田 淳 仙台市
ぼくが三年生の時、初めて自転車を買ってもらいました。ぼくは、うれしくてうれしくて毎日近くの空き地で自転車を乗りまわしていました。でも、ぼくのうちの周りは車の通りが激しくて、なかなか遠くまで乗らせてもらえませんでした。
夏休み、ぼくは自転車で遠くまででかけたいとせがみました。「それなら、秋田のおじいちゃんのうちまで自転車で行こう!」と家族会議で決まりました。その頃、ぼく達は石巻に住んでいたので、ぼくにとっては大冒険に出かけるような気持ちでした。
ぼく達は、テントやなべや着替えを自転車にくくりつけて朝早く石巻を出発しました。朝早いうちは、気持ちよく自転車をこげたけれど、じりじりと日が照りつけるようになると、汗が目に入るくらい流れてきました。ペダルをこぐ足もだんだん重くなり、あと少しあと少しと思いながら、自転車をこぎつづけました。
一日目は、鳴子まで行きました。川の近くにテントを張りました。強い風が吹いていて、何度も飛ばされそうになりながら、テントを張りました。次の日からは、つらい峠越えでした。七つものトンネルを通り抜け、急な坂道は自転車を押しながら、歩いていきました。
いつもは、おじいちゃんのうちまで車でさっと通り過ぎてしまう道ですが、今まで見えなかったものが、見えてきます。ひっくり返って休んでいるとき見た空は、驚くほど青く澄んでいました。道端に咲いていた小さな花でさえ、こんなにかわいくてきれいなものなんだと思いました。自転車のペダルをこぎながら体全体で感じた風の気持ち良さ、暑くてもうだめだと思った時降ってきた雨は、神様からの贈り物に思えました。途中、疲れることはいっぱいあったけれど、たくさんの人との出会いがぼくは、一番うれしかったです。