【佳 作】・・・風になる  山 本 美 穂   足立区


 私は自転車が好きだ。友達と遊びに行くときも、買い物へ行くときも、家族と出かけるときも、その使用頻度は他の乗り物よりも多い。他の交通手段では絶対に味わうことのできない、何かがある。
 それは風を感じることができることである。風は風でもそれはただの風ではない。特別な「風」なのだ。
 風は私に語りかける。その風はどれ一つとして同じ顔をしていない。季節や月日、はたまたその時間によって変わっている。刻一刻と時を刻むように、風もその表情を一瞬にして変えているのだ。
 その風は、頬に伝わり、目に鮮やかに飛び込み、耳を横ぎり、頭のてっぺんからつま先まで、風が、私と自転車を包み込んでくれる。
 自転車に乗ることで、私は風と一体化する。風を感じる力があふれてすいるすばらしい乗り物。それこそが自転車なのだ。それは私にとって風と語りあうためのアイテムなのである。いや、私自身が風になれるアイテム、いわば魔法のアイテムだ。
 この感動、この想いをたくさんの人に受けとってもらいたい。感じてもらいたい。たくさんの人に、風になってもらいたい。私は、自転車でしか感じられない最高の清々しい気持ちを、たくさんの人に、味わってもらいたい。
 ところで風を感じるため、どうしても自転車の速度をあげることを私は考えてしまう。風と一体化するということは、交通マナーというより、自転車のマナーについても考えなければならない。急いでいる時などスピードを出したり車が通っていないからと、赤信号でも渡ってしまう人がいる。しかし、自転車はときとして人の命に関わる事故をおこしかねない。そういう点では、自転車も車やバイクと同じである。自転車や車の事故はとても悲しい。もちろんそれは個人の不注意からなるもので自転車には何の罪もないことだ。
 私は、みんなにも風を感じてほしいから、そのために信号無視やスピードの出しすぎ、二人乗り、片手運転、もちろん雨の日の運転や多くの歩行者がいるところでの自転車の交通ルールを・マナーをしっかり守ってもらいたい。そして、自転車をもっと良い乗り物にしたい。みんなもっともっと好きになってもらいたい。
 風になったときのあのすばらしい快感を、喜びを、うれしさ、楽しさをみんなの体で受けとめ、感じてもらいたい。
 わたしは自転車に乗って風になる。風になった私は海を渡り、地を駆け回り、みんなの体を包み込んで、大空へと大きく、美しくはばたいていくのだ。
 私のように風を感じることが多くの人の楽しみや快感や喜びになるよう、私はこれからも自転車のマナーを守りつづける。
 さあ、私といっしょにみなさんも私といっしょにみなさんも、「風」を感じてみませんか。